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>基本情報>バイテクとは?
バイオテクノロジーとは、生物学という意味の「バイオロジー」と、技術の「テクノロジー」が合成された言葉で、生物のもつ機能を応用する技術のことをいいます。
大昔から作られているパンやワイン、味噌、醤油も、微生物の働きを応用してつくられていて、バイオテクノロジーの原点ともいえます。バイオテクノロジーは古くから私たちの暮らしに貢献している技術なのです。
近年は特に、
遺伝子
組み換えなどの
細胞
工学の技術を利用して
品種改良
を行ったり、医薬品などを生産したり、環境問題への応用が盛んに行われるようになっています。 ここでは、
品種改良
の歴史を追いながら、バイオテクノロジーとはどのような技術かご紹介いたします。
農業とバイオテクノロジーの古くからの関係
遺伝子とは
今日の豊かな食卓も遺伝子が組み換わったことの成果
有用な遺伝子を効率良く活用
バイオテクノロジーは21世紀のキーテクノロジー
植物バイオ年表
農業とバイオテクノロジーの古くからの関係
そもそも、農業によって作られる「作物」とは、なんでしょう?
作物は、人間が野生の植物を栽培して繁殖させるなかで、人間の生活スタイルに合うように
品種改良
を重ねた植物のことを指します。
例えばイネは、もともと亜熱帯の植物だったものを長い年月をかけて、今のように寒冷地でも育つように、多くの実をつけるように
品種改良
が行われたものです。今では東北地方など寒冷地で栽培した方がおいしいと言われるくらいです。 このように、栽培しやすいよう、あるいは、栄養価が高くなるように、といった様々な理由で改良が加えられた植物が、作物と呼ばれているのです。 私たちは、「自然のまま」「手付かずのまま」の穀類や野菜類を食べているのだと思われがちですが、実は長い時間かかって
品種改良
という人の手を加えられた「作物」を食べているのです。
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遺伝子
とは
ところで、おいしいとか、栄養価が高いといった性質は、
遺伝子
によって決められています。すべての生きものは、
細胞
という最小単位からできていますが、
細胞
一つひとつに
遺伝子
が入っています。
遺伝子
は、自分自身の特質を決める“設計図”の働きをするもので、親から子へ
遺伝
すると言う形で受け継がれるため
遺伝子
とよばれます。この
遺伝子
の本体が
DNA
と呼ばれる物質です。
DNA
そのものは生きものではなく、化学物質です。糖とリン酸が交互に連なった2本の鎖が、らせん状に並行し、その間に4種類の
塩基
(アデニン、チミン、シトシン、グアニン)がはしごの横木のように、鎖を結びつけて並んでいます。
DNA
の
塩基
の並び方が
遺伝
情報となって形質が決められる仕組みは、基本的にあらゆる生きものに共通したものなのです。
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今日の豊かな食卓も
遺伝子
が組み換わったことの成果
より効率的で、よりおいしく、より栄養の高い作物をつくるため、
品種改良
技術は次第に発達してきました。 生き物の形質を決めているのは
遺伝子
ですから、
品種改良
は
遺伝
的な変化を利用して行われているのです。
一般的な「めしべ」と「おしべ」の
交配
による
品種改良
では、めしべ由来の
遺伝子
とおしべ由来の
遺伝子
が組み換えられて新しい品種ができるのです。 例えばトマトやトウモロコシなどは、異なる系統の作物どうしをかけ合わせることによって、親品種よりも栽培しやすく、収穫の品質も良く、収穫量も多い品種が現れて、作物として定着したものです。
現在、私たちが日常生活の中で食べている穀物や野菜、肉などのほとんどは、このような様々な
交配
によって
遺伝子
が組み換わったことの成果なのです。
しかし、従来の
品種改良
の手法は新しい品種をつくるのに、長い時間と手間がかかることが難点とされています。なぜなら、よりよい形質をもった個体が必ず得られるわけではなく、偶然に生まれることに頼っている部分もあるからです。また、これらの手法で作り出された新品種では、どのような
遺伝子
がどのように変り、特定の形質を生みだす
タンパク質
がどのように変ったのかは、ほとんどの場合、わかりません。
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有用な
遺伝子
を効率良く活用
従来のかけ合わせによる
品種改良
技術を発展させて、より効率的に、より確実に、新しい性質を作物に加えることはできないか―そこで生まれたのが
遺伝子
組み換え技術です。
1953年にワトソンとクリックが、
DNA
の構造を明らかにして以来、
遺伝子
に関する研究は飛躍的に発展しました。1970年代後半には、土壌微生物の一種であるアグロバクテリウムが、自らの
遺伝子
の一部を植物に導入することが発見されて、植物の世界で
遺伝子
組み換えの研究が盛んになりました。アグロバクテリウムを「
遺伝子
の運び屋」として、植物に目的とする
遺伝子
を導入して、確実に短期間で新たな性質を加えることが可能となったのです。また、
交配
が行えない他の生物の有用な
遺伝
資源も活用することが出来るようになり、
品種改良
技術は飛躍的にその可能性を拡げることができました。
遺伝子
組み換え技術は従来の
品種改良
技術を超えた、近代バイオテクノロジーといえる技術なのです。
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バイオテクノロジーは21世紀のキーテクノロジー
バイオテクノロジーは現在、さまざまな分野で最先端技術として脚光を浴びています。
たとえば農業分野では
細胞
培養
や
遺伝子
組み換え技術を用いて、新たな品種の開発や、優良な家畜や魚の開発、
バイオリアクター
を用いた食品素材の効率的生産が可能となり、食糧生産に貢献しています。
また農業分野以外にも
遺伝子
組み換え技術が既に実用化している分野として、たとえばヒトの医薬品としては
インターフェロン
や
インスリン
、さらに動物用医薬品や飼料に添加する
アミノ酸
、実験用マウスなどもあります。
私たちの暮らしに身近な例としては衣料用洗剤の
酵素
などがあり、既に実用化されているものが多くあります。
環境分野でも
生分解性プラスチック
や、汚染物質を分解する微生物などが実用化されていて、21世紀に人類が抱える様々な環境問題を解決するキーテクノロジーとしても注目されています。
このように私たちの暮らしの中で、バイオテクノロジーは不可欠の技術になっており、21世紀はバイオテクノロジーの世紀とも言われています。
バイオテクノロジー研究の根幹となるのは、
ゲノム
を読み解き、有用な
遺伝
情報をどのように活用するかということです。
わが国でもバイオテクノロジー分野での国際競争力を強化していくために、「バイオテクノロジー戦略会議」を設置しています。この会議ではバイオテクノロジーが今後も進展していくために、医薬、食品などのさまざまな分野で強化策が検討されています。
今後、バイオテクノロジーは、世界の食糧問題や環境問題などさまざまな問題を解決する技術として、また医療分野や工業分野などでも幅広く活用できる技術として、私たちの暮らしに貢献することでしょう。
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植物バイオ年表
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一万年前
イネ栽培が始まる
紀元前
2000年頃
微生物を利用した食品(ワイン、ビール、
発酵
パン)がつくられる
700年頃
中国より日本に大豆、ブドウが伝来
1600年
サツマイモ、ジャガイモが日本に伝来
1665年
フック、顕微鏡で
細胞
を発見
1859年
ダーウィン「種の起源」を出版
1860年
パスツールがパスツール法(低温殺菌法)を開発し、微生物学を確立する
1865年
グレゴール・メンデルがエンドウを使った実験を行い、「
遺伝
の法則」を発見。形質は世代を通して受け継がれることを証明する
1900年
コンレスらが
メンデルの法則
を再発見する
1930年
米国の農家がトウモロコシのハイブリッド種を1922年に購入して使いはじめ、トウモロコシ生産高が1965年までに600%増加する
1933年
モーガンが
遺伝子
が
染色体
にあることを確認
1944年
エイブリーが
遺伝子
の本体が
DNA
であることを確認
1952年
ハーシーとチェイスが
遺伝
情報を伝えるのが
DNA
であることを証明
1953年
ワトソンとクリックが
DNA
二重らせん構造を解明する
1963年
スチュワードが植物の組織
培養
に成功
1970年
ボーローグが、“緑の革命”とよばれる小麦
品種改良
(半矮性小麦品種)により、植物
品種改良
家として初のノーベル賞受賞者となる
1970年
ハミルトンとスミスが制限
酵素
の作用を解明
1972年
バーグが試験管内で組み換え
DNA
の作成
1973年
ボイヤーとコーエンが、
大腸菌
の
遺伝子
に黄色ブドウ球菌の
遺伝子
を組み込み、
遺伝子
組み換えの基礎技術を開発
1974年
シェルらがアグロバクテリウムのTi
プラスミド
を発見
1975年
遺伝子
組み換え技術の安全性にかかわる初めての会議、アシロマ会議が開催される
1976年
米国国立衛生研究所(NIH)が世界で初めて、
遺伝子
組み換え実験のガイドラインを作成
1978年
メレハースがジャガイモとトマトの
細胞融合
によって「ポマト」を作出
1982年
アグロバクテリウムの感染の仕組みが解明される
高等植物で
遺伝子
組み換えが成功
1983年
経済協力開発機構
(
OECD
)が、産業利用における
遺伝子
組み換え体の安全性評価に関する検討を開始する
1985年
除草剤耐性
植物が開発される
PCR法
を開発(米シータス社)
1986年
米国でタバコモザイクウィルスによる病気への抵抗性をもったタバコが開発される
ベルギーで
害虫抵抗性
のタバコが開発される
1990年
遺伝子
組み換え技術で
キモシン
がつくられる
1993年
OECD
が環境安全性の基本概念であるファミリアリティと、食品安全性の基本概念となる
実質的同等性
を打ち出す
1994年
遺伝子
組み換え技術で作られたフレーバーセーバー・トマト(日持ちの良いトマト)が米国ではじめて認可され店頭に並ぶ
米国で、
遺伝子
組み換えの
害虫抵抗性
トウモロコシ、
害虫抵抗性
ジャガイモ、
除草剤耐性
ダイズの安全性が確認される
1995年
米国で
遺伝子
組み換え技術で作られた
除草剤耐性
ナタネの安全性が確認される
米国で
遺伝子
組み換え技術で作られた
除草剤耐性
ダイズが初めて市場に出る
1996年
日本の旧厚生省が
遺伝子
組み換え作物4種7品目の安全性を確認
1999年
ビタミンA前駆体のベータカロテンを含み、開発途上国の子供たちの失明予防に役立つ可能性を持つイネが開発される
ローマで行われた
コーデックス委員会
総会で、バイオテクノロジー応用食品部会が設立され、日本が議長国に
2000年
3月 第1回
CODEX
バイオテクノロジー特別部会が日本にて開催される
12月 かずさ
DNA
研究所が高等植物(アブラナ科シロイヌナズナ)の全
ゲノム
を解読
2001年
1月 シンジェンタ社がイネ
ゲノム
の解読を終了
4月 日本で
遺伝子
組み換え食品の安全性審査が義務化される。
JAS法
と
食品衛生法
による、
遺伝子
組み換え表示制度がスタートする
世界の
遺伝子
組み換え農作物の作付け面積が5,000万ヘクタールを突破
2002年
3月 文科省 組み換え
DNA
実験指針を改訂。高校などで組み換え実験が可能に
2003年
1月
遺伝子
組み換え食品の義務表示対象品目にジャガイモ加工食品を追加
4月
農水省 遺伝子組み換え飼料の安全性審査を義務化
7月 食品安全基本法が施行され、
遺伝子
組み換え食品のリスク評価は食品安全委員会が行うことになる
CODEX総会で遺伝子組み換え植物や微生物のガイドラインを採択
日本で初めて「遺伝子組み換え」と表示した納豆の販売開始
2004年
1月
食品安全委員会 遺伝子組み換え食品(種子植物)の安全性評価基準を作成
2月
遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)により、生物多様性影響評価が義務付けられる
2月
農水省 第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針を策定
5月
EUが1998年以来のモラトリアム(新規の遺伝子組み換え農作物の承認停止)を解除し、遺伝子組み換えトウモロコシの食品利用を承認
6月 サントリー 世界で初めて青いバラの開発に成功
12月 国際イネ
ゲノム
配列解読コンソーシアムがイネ
ゲノム
塩基
配列完全解読を達成
2005年
3月
日本植物生理学会ら植物科学関連6学会が政府に対し、提言「遺伝子組換え植物の社会における適切な受容を進める体制を求む」を提出
5月 世界でこれまでに栽培された
遺伝子
組み換え農作物の作付面積の累積が、10億エーカー(約4億ヘクタール)を突破
9月 第5回
CODEX
バイオテクノロジー応用食品特別部会開催
10月
遺伝子
組み換え食品の義務表示対象品目にアルファルファを追加
イランにおいて世界で初めて
遺伝子
組み換えイネの商業栽培が始まる
2006年
11月
遺伝子
組み換え食品の義務表示対象品目にテンサイを追加
第6回
CODEX
バイオテクノロジー応用食品特別部会開催
2007年
1月
世界の遺伝子組み換え作物栽培面積が2006年単年で1億ヘクタールを突破!
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